今回は、樹高の分類についてのお話です!
植栽のデザインでは、樹木類を樹高の違いによって使い分けることが行われています。
樹高の高いものを高木、低いものを低木といい、その中間の高さのものは中木と称されています。さらに低木よりも低く、地表面を覆う植物、地被(グランドカバー)があり、植栽のデザインでは、これらの樹高の高さの異なる樹木類の組み合わせによって景観を構成します。
高木類は建物の様式やデザインイメージも決定する役割も果たすなど強い影響力を持ちます。また花を楽しむ、実を楽しむ、緑陰をつくる、目隠しに利用するなど様々な役割りがあります。
●高木類
アカマツ
アラカシ
イロハモミジ
中木類は、高木と高木の間や高木添えで植栽される他、列植や低木の寄植えの中にアクセントとして用いられます。これら中木は、庭の奥深さを生み出し高木とは異なる樹形、花や紅葉、黄葉、実により、景観的変化を見せてくれます。
また、中木は人のアイベルトで枝葉が茂るため、視線をさえぎる効果が高くなります。
●中木類
コウヤマキ
ゲッケイジュ
クロモジ
低木類は、高木類、中木類が、1本、2本と数えられるのに対して、1株、2株と単位名称が異なります。
高木や中木の根元に添えて植栽されたり、つくばいの周りや景石の添え、建物の基礎やアプローチ、園路などに沿った列植、あるいは芝生や花壇の縁取り、生垣や竹垣の裾植え、そして寄植え等々、和風・洋風を問わず多くの場所に植栽されます。
●低木類
サツキツツジ
アオキ
地被類(グランドカバー)とはこれまでの高木・中木・低木という樹高による分類では、低木よりもさらに地面表に近い、最も低い高さの植栽のことを言います。
ですが、必ずしも樹木に限らず、宿根草類、球根類などの草本類、ツル植物類ササ類、シダ類、コケ類、芝等きわめて広い範囲の植物を含みます。
●地被類(グランドカバー)
タマリュウ
ホトトギス
ヘデラ
高木類が、主に庭園のイメージを決定することになり、中木類は、高木が生みだすイメージの補強する役割りを持ち、低木類は高木、中木類の根元まわりに植栽することによって地表と樹木をなじませ安心感を与えることができます。
地被類(グランドカバー)はこの中でも特に目的に応じた分類で、風雨による表土の流亡を防いだり、雑草の繁茂を押さえる役割があります。