すっきり爽やかな香りの常緑ハーブ、ローズマリー。
暑さ 寒さ 病気に強く、手間がかからず丈夫で育てやすい代表的な人気のハーブです。
顔を近づけて匂うだけで、一瞬で良い気持ちにさせてくれます。
種類は大きく3分類
● 立性:まっすぐ上に伸び、大きなものは2mくらいにもなる
● ほふく性:高さ30cm程で地を這うように伸び、グランドカバーとしても人気
● 半立性:上にも横にも生長する
春から秋にかけて水色や青紫、ピンクの小花が咲きます。
◆鉢植えの場合
日なた、水はけ、風通しの良い場所を好み、高温多湿には弱いです。室内で育てる場合は、日当たりの良い窓際がベストでしょう。
水やりは土の表面が完全に乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりとあげましょう。肥料は特に必要はなく、あげるとしたら緩効性肥料を少しでOK。
ローズマリーは丈夫で生長も力強いので、根も良く伸びます。そうして根詰まりを起こすと枯れる原因になります。根詰り防止のため、1~2年に1回程度、春か秋に一回り大きい鉢に植え替えると良いでしょう。根を傷めないよう気を付け、必ず新しいハーブ用培養土 + 水捌け用土を用い、植え替えましょう。
地植えにした場合は、植えたばかりの時は、たっぷりと水やりをします。苗が生長したあとは、猛暑日の日照り続きの場合を除いては、基本的に水やりの必要はありません。それでも、土壌の排水が悪く、長雨が続いたりした場合に根腐れすることもありますので、土壌の排水・通気性をよくしておくことが大事です。
粘土質の土壌の場合は、改善が難しいので植えないようにしましょう。(雨が降った後、水たまりができやすかったり乾きが遅かったりするところは、粘土質土壌の可能性が高いです)。
・植える前に土を掘って耕し、軽石や砂などを混ぜて軽い土にし、排水と通気性の良い土壌を作ります。
・植えた周りに排水の溝を作って、ローズマリー周辺に水たまりが出来ないようにします。最近は予期せぬ長雨やゲリラ豪雨などが増えていますので、水が溜まっていたら降雨中でもとにかく溝を掘って水を逃がしてあげましょう。
・小高く土を盛ってそこに植えます。レイズドベッドでの栽培もおすすめです。
基本的には虫がつきにくいハーブです。高温多湿に弱いので、茂りすぎて風通しが悪くなったりすると根腐れを起こしたり、カイガラムシやメイガ、ハダニがつくことがあります。定期的に収穫し、隙間を維持しましょう。
◆うどんこ病
うどんこ病 とは、枝や葉にうどん粉を振りかけたような白いカビが発生し、光合成ができなくなり、生育不良になったり枯れたりしてしまう病気です。うどんこ病の胞子は風に乗って他の植物にも付着し、周辺の植物にも移ってしまうので、早期発見が大切です。
見つけた時はすぐにその枝葉を切り取り、ゴミ袋に入れて捨てるか焼却してください。近くの地面に捨ててしまうと、うどんこ病の胞子が風に乗って運ばれ、また植物に付着し発生します。枝葉を切り取っても症状が広がる場合は、薬剤を使います。
しかし、ローズマリーを食用で使っている方はなるべく農薬は使いたくないと思いますので、その場合はまずは自然のもので除菌対策を工夫してみましょう。
■ 重曹水スプレー:重曹 1g + 水 500ml
■ お酢スプレー :食用酢 3ml + 水 350ml
葉と茎が十分濡れるまでしっかりスプレーして、様子をみます。
◆重症の場合
重症の場合は、やはり殺菌剤の散布が効果的です。薬剤は、サプロール乳剤、ミラネシン、カリグリーン、ベンレート等があります。まず枝透かしをして通風しと採光をよくしてから散布しましょう。切り取った枝葉は胞子が飛ばないように焼却するか、袋に入れて捨てましょう。
1. 春か秋に、新しく生長した元気な部分10cm位の枝を斜めに切る
2. 1時間くらいコップに入れた水を吸わせる
3. 新しい培養土に差し、たっぷり水をあげる (古い鉢土はNG)
4. 明るい日陰に置き、土が乾燥しないように適度に水やりする
5. 数週間後に根や葉が出てくれば成功!
ローズマリーは非常に丈夫なハーブですが、枯れる原因もあります。
◆根腐れ
鉢植えの場合に起こりやすい、水のやりすぎが原因です。真夏の猛暑日続きの乾燥期以外は、水やりは控えめに。表面の土がカラカラに乾いたら、たっぷりやりましょう。また、水をやりすぎていなくても、水捌け・通気性の悪い土だったり、植木鉢の排水が上手にできていない場合も、水が溜まってしまい根腐れの原因になります。ハーブ培養土に水捌け用の土を混ぜ、鉢底には小粒の軽石を多めにしきましょう。
植木鉢の材質も大切です。樹脂やプラスチックなどの鉢は軽くて扱いやすいですが、通気性が悪く蒸れやすいデメリットがあり、通気性が重要であるローズマリーには不向きでしょう。素焼きやテラコッタなどの、通気性と排水性のよい鉢を選びましょう。
地植えの場合は、水捌けの悪い土壌の問題が原因になります。粘土質な土壌には植えないようにしましょう。
◆根詰まり
根詰り防止のため、1年に1回程度、春か秋に一回り大きい鉢に植え替えると良いでしょう。ローズマリーは丈夫で生長も力強いので、根も良く伸びます。そうして根詰まりを起こすと枯れる原因になります。
鮮やかな黄色の葉が混じってきて、触れるとぱらぱらと落ちるようになると、根詰まりを起こしている可能性が高いです。さらに進むと、葉の色が全体的に黄緑色になり、そのうち茶色くなっていきます。根が増えて水を十分に吸い上げられなくなっているのが原因です。その時はすぐに植え替えましょう。
植え替えるときは、根をあまり切ると枝葉に良くないので、優しくほぐしてあげると新しい枝葉も伸びやすくなります。下から1cm程を細い棒で根をほぐしながら土も落とします。
新しい鉢は、以前より一回り大きいものを用意し、必ず新しいハーブ用培養土 + 水捌け用土を用い、排水・通気性をよくする軽石をしっかり入れて植え替えましょう。
◆花と種
多くの植物がそうですが、花が咲くと株の体力はかなり消耗されます。また、花が咲き終わった後そのまま放置しておくと種が育ちますが、これがさらに体力を消耗させ、株を弱らせます。蕾が付きすぎたら咲く前に間引いたり、花が咲き終わったらすぐに花ガラを取り除き、種を育たせないようにすると、株の体力は温存されます。
◆ローズマリーの芳香
爽やかで清々しく、瑞々しさ、植物の気持ち良さを感じさせる香りがします。爽快感もあるその香りを嗅ぐと、脳に刺激を与え、頭をすっきりと覚醒させリフレッシュさせてくれる作用があります。気分が沈んだとき、集中できない時などに匂いを嗅いでみましょう。
洗ってそのまま、様々な用途に使えます。
肉・魚料理の香りづけに
ポテトやきのこ料理に
煮込み料理に
■ オイルの瓶に一枝入れておくと酸化防止に
■ 揚げ油に入れて具材と一緒に揚げると、 ほんの少し爽やかな香りが付きます。使用後の油に入れて、酸化防止・抗菌作用も。
葉だけをこそぎ取り、きれいに洗って乾かし、ミキサーで軽く粉砕します。お好みの塩(粗塩や岩塩、天日塩など)をフライパンで炒って、粗熱を取ります。この塩に粉砕したローズマリーを混ぜて、瓶に保存して完成。様々なお料理に使えます。
観葉植物や花を食べてしまう猫がいて、室内に植物は置けないという話もよく聞きます。しかしローズマリーは猫が嫌いなハーブでもあり、しかも食べても大丈夫です。天然の酸化防止剤としてローズマリー抽出物を使っているキャットフードもありますので、安心して育てられます。