サルスベリ(百日紅)
形態:落葉低木~高木、低木の矮性品種
花期:7~10月
花色:ピンク・赤・白・紫
特徴
真夏は町に花が少なくなりますが、そんな中で青空の下で可憐に咲く涼しげで華やかな サルスベリ 。学校や公園、街路樹などの公共施設にもよく植えられているので、夏休みの思い出とともに記憶している人も多いのではないでしょうか。
繊細なフリル状の花弁が集まった姿はとてもかわいく、淡い茶色の幹は見た目も涼しげで、触り心地も良くツルツリスベスベ。“猿も滑るほどツルツル”という意味で“サルスベリ”と名付けられました。また百日紅という漢字の通り、開花期が約100日と長いのも魅力で、夏の間中ずっと、お庭を華やかにしてくれるでしょう。
暑さにも寒さにもに強く、ガーデニング初心者でも育てやすい丈夫な庭木 で、洋風、和風どちらの庭にも合います。
花弁の色と種類
淡いピンク 「マスコギー」等
濃いピンク 「カントリーレッド」「チェリー」「インフニティ マゼンタ」等
赤紫 「タスカローラ」等
白 「ナチェ」「ブラックパールホワイト」等
赤と白のミックス 「夏祭り(ペパーミントレース)」等
サルスベリの育生環境
猛暑や直射日光にも耐えられます。一年を通して日当たりと風通し、水捌けの良い場所で、やや乾燥した土を好みます。
サルスベリの水やり
地植えの場合は、日照り続きの時を除いては、特に必要ありません。但し、植え付けてから1年くらいは、まだ根付いていないため、水切れしないように土の表面が乾いたら水をたっぷりあげましょう。真夏は昼間に水やりをすると水がお湯になってしまうので、早朝か夕方以降の涼しい時間帯にあげましょう。
サルスベリの剪定
基本的に1年に1回、落葉中の11~3月頃に行うのが理想的です。
※早春~初夏は剪定はNGです。この時期に伸びた枝の先に花が咲くため、この時期に剪定してしまうと、花が咲きません。
サルスベリの肥料
落葉期の1~3月に寒肥として、堆肥や腐葉土などの有機質肥料を少し与えます。但し、花や葉付きに問題がなければ、必須ではありません。
サルスベリがかかりやすい病害虫
サルスベリがかかりやすい病気は、 うどんこ病 です。水はけ・風通しの良い場所で育て、湿気がこもらないように剪定してすっきりした枝ぶりを維持しましょう。また、品種改良によりうどんこ病に耐性のある品種(タスカローラ等)も出ています。
うどんこ病にかかったら…
うどんこ病 とは、枝や葉にうどん粉を振りかけたような白いカビが発生し、光合成ができなくなり、生育不良になったり枯れたりしてしまう病気です。うどんこ病の胞子は風に乗って他の植物にも付着し、周辺の植物にも移ってしまうので、早期発見が大切です。
サルスベリの開花期に発症することが多いので、事前に風通しと水捌けを良くして予防することも効果的です。
見つけた時はすぐにその枝葉を切り取り、ゴミ袋に入れて捨てるか焼却してください。近くの地面に捨ててしまうと、うどんこ病の胞子が風に乗って運ばれ、また植物に付着し発生します。枝葉を切り取っても症状が広がる場合は、薬剤を使います。
●軽症の場合
■ 重曹水スプレー:重曹 1g + 水 500ml
■ お酢スプレー :食用酢 3ml + 水 350ml
葉と茎が十分濡れるまでしっかりスプレーします。
●重症の場合
殺菌剤の散布が効果的です。薬剤は、サプロール乳剤、ミラネシン、カリグリーン、ベンレート等があります。まず枝透かしをして通風しと採光をよくしてから散布しましょう。切り取った枝葉は胞子が飛ばないように焼却するか、袋に入れて捨てましょう。
注意すべき害虫は、カイガラムシです。枝や葉に白い貝殻のような形状で付着します。カイガラムシの排泄物から「すす病」や「こうやく病」なども誘発されるため、見つけ次第すぐに対処しましょう。
カイガラムシは固い殻に覆われているので、歯ブラシやたわしなどでこそげ落として駆除することもできますが、最も効果的で簡単なのは殺虫剤での駆除でしょう。
殺虫剤は、幼虫と成虫では種類が違うので、ホームセンターなどで合ったものを購入してください。落葉中は強めの薬剤も使えます。
サルスベリの紅葉
10月頃に花が終わると、紅葉が始まり、秋らしい姿を見せてくれます。紅葉が終わると次々に落葉し、休眠期に入ります。
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