設計部の愛です。
今回は、アプローチ計画のお話です。
まず、アプローチとは・・道路から玄関までの通路の事をいいます。
従来は主庭、中庭、裏庭とともに「前庭」と呼ばれていた部分です。
しかし今日、敷地の狭小化が進む都市部ではアプローチの確保すら難しく、
車が生活必需品となり、駐車スペース確保の為に
アプローチを駐車スペースと兼用する場合も多々あります。
しかし、アプローチは居住者にとって社会との緩衝地帯です。
家は外出先から帰宅しての気分転換の場であり、アプローチを歩くのはほっとするひと時です。
一方、初めて訪問する者にとって、アプローチはインターホンでの挨拶を済ませたとはいえ、
顔合わせ前の心の準備をするスペースです。
ある程度の距離と景観を添えると心地よいアプローチとなります。
さて、アプローチに関する具体的な寸法をみていきます。
図の通り、アプローチ舗装面の必要な寸法は状況によって異なります。
こうした全てを満足するアプローチの理想的な舗装面の有効幅は1200mmといわれています。
また、傘をさして歩行するのに必要な幅は1300mmです。
この範囲より内側に植栽の枝が入らないようにします。
又、道路との高低差がある場合は階段が必要になってきます。
階段寸法については、「踏面300mm、蹴上15.5cm」
この寸法を離れるほど、歩きにくくなる事が立証されています。
次に素材について・・
歩きやすさの一方、玄関前の前庭的空間でもあるアプローチは、
舗装面にも美的要素が要求されます。また、家族全員が毎日幾度となく歩くので、
耐久性や汚れにくい素材、掃除のしやすい素材で、滑りにくい、つまづきにくい等
安全性も考慮した素材選びが出来ればベストだと思います。
又、わずかでも緑を植えたいです。
手入れが大変・・・虫が嫌・・・よくわかります。でも!というお話を次回にしたいと思います。