設計部の愛です。
前回、エクステリアの設計時にわずかでも緑を植えたいという話をしました。
しかし、基本的に植物は手入れが必要です。虫もつきます。なので、敬遠されるお施主様は多いです。
ですが、植物の効果は心理的効用と物理的効用の両面からその意義が認められています。
今回は、そんな緑の物理的効果を具体的に紹介したいと思います。
①光合成による二酸化炭素の吸収
二酸化炭素の削減はだれもが認識すべき大きな課題ですが、例えば・・幹の太さが90cmほどの落葉高木1本が吸収する二酸化炭素の量は年間約1066kg。これは、成人3人分が呼吸によって排出する二酸化炭素の量に相当します。
②日射調整
樹木は葉の蒸散作用により、気温を低下させます。又、樹冠下に日陰ができ外気温、室内気温も下がります。南側には落葉樹を植えると、夏場は葉が太陽光を和らげ、冬には葉が落ちるので太陽の光が室内に届き、暖かくなります。
③大気浄化
植物は気孔から亜硫酸ガス等を吸収し、葉内に蓄積し、落葉時に地中に戻しています。常緑樹は一年中呼吸しているので大気浄化の効果が高いです。
④防音効果
防音壁単独よりも、枝葉の密な常緑樹の生垣が防音効果が高いことが確認されています。
⑤防塵効果
芝生などの地被類は、凍結を防止し、砂塵を減少させます。
以上が、植物の物理的効果です。
敷地面積に対して何%以上の緑化面積を設ける事。高木を何本、中木を何本以上植える事。
と、市や地域によって緑地協定が結ばれている所も多いです。
森林のように大きな面積の緑地が注目されますが、住宅の植栽スペースも集まれば大きな効果が期待できます。
1軒ではわずかな植栽面積でも、連続する街、分譲地単位では大きな緑の帯となり、
大きな効果が期待できます!
次回は、エクステリア計画における植栽の効果についてのお話をしたいと思います。