今回は、整姿(せいし)・剪定(せんてい)・刈込みについてお話します。
樹木は、植栽後、そのまま成長させると大きくなり、葉や枝も茂り過ぎてしまいます。
成り行きにまかせていると、樹形が乱れるとともに樹木全体のバランスを欠くようになるため、人為的に樹形をつくり、他の樹木や庭とのバランスをとる必要が生じます。
整姿・剪定・刈込みは、現在の姿を保つという点ではこれを樹木の「抑制管理」と呼びます。
樹幹や枝の生長を調節し、美観のある樹形をつくり、それを継続させるものを「整姿」と言い、これは一度つくられた樹形を維持するものです。
採光や通風を良くし、樹木の健全な生育、開花、結実等を図るために枝・幹・梢等を切り除くことが「剪定」であり、また樹木の樹冠上に伸びた枝や小枝葉等を一様に切り揃えることが「刈込み」です。
ここで、剪定の時期についてお話します。
冬季、春季、夏季、秋季と分かれています。
● 冬季剪定… 一般的に落葉樹は、落葉したら剪定の適期に入ります。樹木の休眠期あるいは翌年の萌芽直前に行う剪定を冬季剪定といい、樹形をつくるために強い剪定を行っても樹木に与える影響は少なく、思い切った枝の間引きや主枝の剪定、病害虫に侵された枝や枯れ枝等の除去には最適といえます。
● 春季剪定… 樹木が開花または萌芽し始める 3~5月に行う剪定 です。常緑樹は、古い葉が落ち、新芽と交代する5月頃が剪定の適期であり、春季剪定で強い剪定を行い樹形を整えます。春は樹木の生育が盛んで、伸張する新梢の心、摘芽、生垣の刈込み等はこの時期に行います。
● 夏季剪定… 6~8月頃になると樹木は枝や葉が茂り、通風や日照が妨げられ、それが病害虫の発生の原因ともなります。そのため密生枝、徒長枝等を剪定し、樹木の健全な生育を図ります。また、台風に備える剪定も重要です。
● 秋季剪定… 9~11月頃にかけて行う剪定で、夏季剪定以降伸びた乱れ枝や土用枝を切り透かす程度。常緑樹は、冬の寒さに耐えるため樹勢を弱めるので、強い剪定は行いません。
こういった季節に対応した剪定を行う事で、病害虫から樹木を守り美しい樹形を保つ事ができます。