今回は設計部のmanaが担当いたします。
色によるマジック!?
色の「対比」と「同化」についてお話します。色の見え方は背景色によって変化することがあります。2つの色が影響しあい、その違いが強調される現象を「対比」といいます。対比には「同時対比」と「継時対比」があります。また、囲まれた色や挟まれた色がその周囲の色に近づいて見える現象を「同化」といいます。
それぞれの解説の前に「補色」についての説明をします。色相環で正反対に位置する色の組み合わせを補色といいます。
同時対比
中心の色が背景色の補色に近づいて見える現象。
背景が赤色の中に黄色をおくと、その黄色は緑がかって見え、背景が緑色の中に黄色をおくと、その黄色は赤がかって見える。
明度対比
明度の違った色を並べると明度の差が大きく見える現象。
同色でも背景が明るければ暗く見え、背景が暗ければ明るく見える。
彩度対比
同系色の色で鮮やかさが違う色を並べると、差が大きく見える現象。
派手な色はより派手に、地味な色はより地味に見える。
補色対比
補色を並べると、互いに彩度を高めあい、両色とも鮮やかに見える現象。
面積対比
色の面積の大小によって起こる現象。面積が大きいほど、明るく鮮やかに見える。例えば、壁紙の色見本を見た時の色より、室内に貼った時の方が明るく鮮やかに見える。
継時対比
ある色を凝視した後に白いところを見ると、補色が映りだされます。これを「補色残像」といいます。まず、下の赤をじっと10秒程度見てください。
そして直ぐに白いところを見てください。うっすらと緑が見えないでしょうか?美術の授業等で体験された方もいるかと思います。この補色残像によって生ずる対比効果を継時対比といいます。赤を見た後に補色の緑を見ると、その緑が鮮やかに見えます。
同化
前述の明度対比は背景が暗い方が明るく見えましたが、このように
白い線を引いたグレーの方が明るく見えるのが同化です。周囲の色が細かく、線が細く、囲まれた色と似ている場合に同化が生じやすいです。
いかがでしたでしょうか?人間の目は不思議だなぁと思える現象ですよね。様々な場面で遭遇するカラーコーディネートの参考にしていただければと思います。